響の言葉
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釧路湿原で失言・・・
2015年 09月 08日 |
釧路湿原で失言・・・_e0027681_00054529.jpg
翌日はノロッコ号に乗って釧路湿原へ。
私はこの日、何とも情けない経験をしました。
旅行というものの本質をあらためて考えさせられました。
あまりにも情けないので書きたくないのですが、反省をこめて淡々と書きます。

そもそも事前の調査が不足していました。
1か月も前にノロッコ号の指定券を買ったところで思考停止。
塘路で降りれば観光案内所があるだろう、そこでパンフレットをもらって質問して、行動を決めればいいと漠然と思っていたのです。

ノロッコ号が走り出してから私は違和感を感じ始めました。
ガイドブックに載っていた湿原のイメージがあらわれてこないのです。
私のイメージは俯瞰で見る釧路湿原。
当然のことながら、地面を走る鉄道からはそんな景色は見えてきません。
それどころか近くの木が邪魔で(笑)景色がよく見えなかったり^^
そう、展望台に登らなければ俯瞰の景色は見えないのです。

終点の塘路を降り、私はキョロキョロ観光案内所を探しました。
ところがあるのはいもだんご屋さんとトイレだけ。
駅には小さなカフェがひとつあるだけ。
そして数台の自転車が並んでいました。

ここでなぜレンタサイクルを借りなかったのだろう?
後から悔やんでもどうしようもないことです。
なぜか私たちは歩き出してしまいました。
そして、塘路湖の施設で展望台について質問しました。
そして歩いて往復すると帰りのノロッコ号に間に合わないということがわかりました。
ここでいったん諦めて近くの店でラーメンを食べました。
駅に戻ってきたとき、1時間と少ししか時間が残っていませんでした。
その時自転車が目に入り、自転車なら間に合うかもしれないと思ってしまったのです。

時間がないので焦っています。
駅のカフェの主人の説明をちゃんと聞いていませんでした。
カフェの主人は「二本松の展望台」なら充分間に合うと言っていたのでした。
ところが私の脳内には「二本松の展望台」はインプットされていませんでした。
ちょっと変だと思いつつ遠い「コッタロ展望台」を目指してしまいました。

行けども行けども展望台には行きつきません。
「間に合わないから戻ろう」と私は何度も娘に提案しました。
しかし娘は「せっかく来たのだから展望台から湿原を見たい。次の汽車でいい」と申します。
ここからは価値観の違いによる親子の戦いです。
次の汽車は3時間も後なのです。
「何としてでも予定通りの汽車に乗りたい」という考えから離れられなかった私。
必死に漕いで展望台にたどり着いたのはいいのですが、景色もほとんど見ずに、
「帰るよ!!」と言って元来た道を走り出したのです。
娘はしぶしぶついてきました。
まるで競輪選手のように自転車をかっ飛ばして駅に着いたら、ノロッコ号はたった今走り出したところでした。
悔しくて悔しくて私は思わず言い放ちました。
「だから途中で戻ろうって言ったのよ!これから3時間もこんな何もないところでどうすればいいのよっ!!!」
するとうしろからカフェの主人の声が聞こえてきました。
「何もないって?そんなことはないですよ。ここには都会にはないいいものがたくさんあるんですよ」
私はハッと気づきました。とんでもない失言をしてしまったことに。
気を取り直してコーヒーを注文し、少し落ち着いてから、
私たちが行先を勘違いしていたこと。
どうせ間に合いそうにないなら、展望台でゆっくり過ごしてのんびりサイクリングすればよかったこと。
に思い至りました。
娘のほうがまっとうな考え方をしていたというわけです。
さらに、「このあたりは野生動物がよく出てくるのですか?」と質問し、
「いっぱいいますよ。さっき会わなかったですか?」と返されました。
はい、競輪選手みたいに流線型になっていたから回りなど見ていませんでした(笑)

カフェの主人はカヌーの手配をしようとしてくれたのですが、これも時間的に間に合いませんでした。
結局、店を閉めて車で隣駅にほど近い温泉に連れて行ってくれたのです。
「客なんかもう来ないから大丈夫」と言ってくださって・・・
もう申し訳なくって。。。
車の窓からエゾシカが見えました。広大な湿原が広がっているのを感じることができました。
カフェの主人にも、娘にも悪いことをしました。
娘とはそのあともしばらくギスギスしておりました。

汽車の時間に間に合うことにこだわって、発想を変えることができなかった自分があまりにも情けないです。
そして、「何もない」ところでは「することがない」という典型的な都会人の発想。
こんな私に旅をする資格があるのでしょうか?
最近自分の旅がマンネリになってきたことにうすうす気づいていましたが、
それは自分の心の狭さに起因していたんだな、と。

長くなりました。
ごめんなさい。




by hanakannzasi-716 | 2015-09-08 00:59 | | Comments(0) |
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